
【親知らずが腫れる原因とは?】
親知らずが急に腫れて強い痛みが出ると、「今すぐ抜いてほしい」と思う方は多いでしょう。しかし、腫れの多くは「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれる炎症が原因です。これは、親知らずの周囲に細菌が繁殖し、歯ぐきや周囲組織が炎症を起こしている状態です。
親知らずは一番奥に生えてくるため歯ブラシが届きにくく、半分だけ歯ぐきに埋まっているケースも少なくありません。その隙間に食べかすやプラークが溜まり、細菌が増殖しやすくなります。疲労やストレス、体調不良などで免疫力が低下すると、一気に炎症が悪化することもあります。
症状としては、歯ぐきの腫れ、ズキズキとした痛み、口が開きにくい、頬の腫れ、発熱などが見られる場合もあります。
【腫れているときにすぐ抜歯できる?】
結論から言うと、強く腫れている状態では、すぐに抜歯できないことが多いです。炎症が強いと麻酔が効きにくく、処置中の痛みが出やすくなります。また、感染が広がるリスクもあるため、まずは炎症を落ち着かせる治療を優先します。
一般的には、抗生物質や消炎鎮痛剤を処方し、患部の洗浄を行います。数日から1週間ほどで腫れが軽減してから、改めて抜歯の計画を立てる流れになります。無理に抜歯を行うと、術後の腫れや痛みが強くなる可能性があるため、安全を優先する判断が必要です。
ただし、症状の程度や位置によっては当日に抜歯が可能なケースもあります。歯科医師の診断によって判断されます。
【応急処置としてできること】
歯科医院を受診するまでの間、自宅でできる対処法もあります。まずは患部を強く触らないことが重要です。指や舌で触ると炎症が悪化することがあります。
軽く冷やすことで腫れや痛みが和らぐ場合がありますが、氷を直接当てるのではなく、タオル越しに短時間行いましょう。市販の鎮痛薬を服用するのも一つの方法ですが、根本的な解決にはなりません。
逆に、温める行為やアルコール摂取、激しい運動は血流が増加し、腫れを悪化させる可能性があるため避けましょう。
【抜歯が必要なケースとは】
親知らずは必ずしも抜かなければならない歯ではありません。まっすぐ正常に生え、清掃が十分にできている場合は、無理に抜歯する必要はありません。
しかし、以下のようなケースでは抜歯が検討されます。
・繰り返し腫れや痛みを起こす
・横向きや斜めに埋まっている
・手前の歯に悪影響を与えている
・むし歯や歯周病の原因になっている
特に横向きに埋まっている場合は、隣の歯を押して歯並びに影響を与えたり、清掃不良によるトラブルが起きやすくなります。
【抜歯後の注意点】
親知らずの抜歯後は、適切なケアが重要です。抜歯当日は強いうがいを避け、安静に過ごしましょう。血餅(けっぺい)と呼ばれる血のかたまりが傷口を保護しているため、これを洗い流してしまうと「ドライソケット」という強い痛みを伴う状態になることがあります。
腫れは通常2〜3日目がピークで、1週間ほどで落ち着くことが多いです。処方された薬は指示通り服用し、異常があればすぐに歯科医院へ連絡しましょう。
【繰り返さないための予防策】
親知らずの炎症は、口腔内を清潔に保つことである程度予防できます。奥まで届く小さめの歯ブラシやワンタフトブラシを使用すると効果的です。また、定期的な歯科検診で親知らずの状態を確認することも大切です。
症状が出てから慌てて受診するのではなく、早めに相談しておくことで計画的な抜歯や管理が可能になります。
【まとめ】
親知らずが腫れた場合、すぐに抜歯できるとは限りません。多くは炎症を先に抑える処置が必要です。無理に抜歯を行うよりも、安全なタイミングで治療することが重要です。痛みや腫れを感じたら自己判断せず、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。適切な対応を行えば、つらい症状は改善し、再発予防にもつながります。親知らずのトラブルを放置せず、早めの相談を心がけましょう。