
歯の白さは顔全体の印象を明るくするため、ホワイトニングに関心を持つ人が増えています。
その中で、「ホワイトニングは何歳からできるのか」という疑問を持つ方も少なくありません。
特に、子どもの歯並びや色を気にする保護者や、自身の歯を白くしたいと考える未成年者にとって、施術可能な年齢や安全性は重要な情報です。
この記事では、ホワイトニングが何歳からできるのかという目安や、年齢が若い場合の注意点、そして安全に行うためのポイントについて詳しく解説します。
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ホワイトニングを始められる年齢の目安は18歳以上
多くの歯科医院では、ホワイトニングを開始できる年齢の目安を18歳以上としています。
これは、高校を卒業し、歯や顎の成長がおおむね完了する時期にあたるためです。
永久歯が生え揃っても、歯の根が完全に完成するまでには時間がかかります。
心身ともに成長が落ち着き、歯が安定した状態になる18歳以降であれば、ホワイトニングによるリスクを低減できると考えられています。
この年齢の目安は、歯科医院で行うオフィスホワイトニングだけでなく、自宅で行うホームホワイトニングにおいても同様に適用されることが一般的です。
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なぜホワイトニングに年齢制限が設けられているのか
歯のホワイトニングに年齢制限が設けられている主な理由は、若年者の歯がまだ成長過程にあり、成人とは異なる特徴を持っているためです。
未成熟な歯は、薬剤による刺激に対して非常にデリケートであり、予期せぬトラブルを引き起こす可能性があります。
施術の安全性を確保し、長期的な歯の健康を守る観点から、多くの歯科医院では一定の年齢基準を設けています。
具体的な理由としては、歯の構造的な未熟さや、神経の感受性の高さなどが挙げられます。
歯の成長が完了していないため
永久歯が生え揃った後も、歯の内部では成長が続いています。
特に歯の根の部分(歯根)が完全に完成するまでには、数年を要するとされています。
この時期の歯は、表面のエナメル質やその内側にある象牙質の構造がまだ成熟しておらず、成人の歯に比べて柔らかく、密度も低い状態です。
このような未成熟な歯にホワイトニング剤のような化学的な薬品を使用すると、歯の内部構造にダメージを与えたり、正常な成長を妨げたりするリスクが懸念されます。
そのため、歯の構造がしっかりと安定し、外部からの刺激に対する抵抗力が高まるまで、施術を待つことが推奨されています。
歯の神経が成熟しておらず刺激に弱いため
若い人の歯は、歯の中心部にある神経や血管が集まった「歯髄」を収めている歯髄腔という空間が、成人の歯よりも大きいという特徴があります。
歯髄腔が大きいということは、歯の表面から神経までの距離が近いことを意味します。
そのため、ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素などの成分が歯の内部に浸透した際に、神経に到達しやすく、強い刺激となって痛みや知覚過敏を引き起こす可能性が高まります。
歯の成長とともに歯髄腔は徐々に小さくなり、神経も成熟していきますが、それが完了する前に施術を行うと、強い不快感やダメージにつながる恐れがあるため注意が必要です。

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若い時期にホワイトニングを行うことのリスク
歯の成長が完了していない若い時期に歯のホワイトニングを行うことには、いくつかの具体的なリスクが伴います。
成人の安定した歯に比べて、未成熟な歯は薬剤の影響を受けやすく、知覚過敏や仕上がりの色ムラといったトラブルが発生しやすくなります。
また、口内に未治療の虫歯などがあった場合、症状を悪化させることにもつながりかねません。
これらのリスクを十分に理解した上で、施術を受けるかどうかを慎重に判断することが求められます。
歯がしみやすくなる知覚過敏を招く可能性
若年者の歯は、エナメル質が薄く、象牙質の内部にある象牙細管という微細な管が太い傾向にあります。
この構造的な特徴により、ホワイトニング剤の刺激が歯の神経に伝わりやすくなっています。
その結果、施術中や施術後に冷たいものや熱いものが歯にしみる「知覚過敏」の症状を引き起こすリスクが高まります。
多くの場合は一時的な症状で済みますが、痛みが強く出たり、長期間にわたって不快感が続いたりする可能性もあります。
特に永久歯への生え変わりが完了して間もない時期の歯はデリケートなため、施術には慎重な判断が求められます。
薬剤の浸透に差が出て色ムラができることも
歯は「石灰化」という過程を経て硬くなりますが、若い人の歯ではこの石灰化の度合いが均一でないことがあります。
石灰化が不十分で密度が低い部分は、ホワイトニングの薬剤が浸透しやすく、白くなる効果も高く現れます。
一方で、十分に石灰化している部分は薬剤が浸透しにくいため、効果の現れ方が異なります。
この状態でホワイトニングを行うと、薬剤の浸透具合に差が生じ、歯の表面に白い斑点やスジのような色ムラができてしまう可能性があります。
均一で自然な白さを得るためには、歯の石灰化が完了し、構造が安定するのを待つのが賢明です。
将来的に必要な歯科治療に影響が出る恐れ
ホワイトニングは、健康な歯に対して行うことが大前提です。
もし口の中に未治療の虫歯やひび割れなどのトラブルがあった場合、その部分からホワイトニング剤が歯の内部に深く浸透し、神経に強い痛みを与えたり、炎症を引き起こしたりする危険性があります。
また、若いうちに行った不適切なホワイトニングによって歯がダメージを受けると、将来的に詰め物や被せ物といった歯科治療が必要になった際に、治療方法が制限されたり、治療後の経過が思わしくなかったりする可能性も否定できません。
長期的な歯の健康を考えると、安易な施術は避けるべきです。

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未成年者がホワイトニングを受ける前に知っておくべき注意点
法的な保護者による同意や専門家による診断など、未成年者がホワイトニングの施術を受ける際には、成人とは異なるいくつかの注意点が存在します。
安全性を最優先し、後悔のない結果を得るためには、これらの点を本人と保護者の両方が十分に理解しておくことが不可欠です。
自己判断で市販品に手を出すことは避け、まずは信頼できる歯医者に相談することから始めるのが正しいステップです。
施術前には必ず歯科医師の診断を受ける
ホワイトニングを安全かつ効果的に行うためには、施術前に必ず歯科医院で歯科医師による診断を受けることが必須です。
診察では、虫歯や歯周病、歯の亀裂といったトラブルがないか、エナメル質の状態はどうか、歯の成長はどの程度進んでいるかなどを詳細にチェックします。
これらの検査結果をもとに、ホワイトニングが可能な状態かどうか、また、どのような方法が最も適しているかを専門的な見地から判断します。
市販の製品を使って自己判断で行うと、口内の問題を見過ごして症状を悪化させるリスクがあります。
信頼できる歯医者に相談し、適切な歯科指導のもとで進めることが重要です。
保護者の同意書が必要なケースがほとんど
未成年者が歯科医院でホワイトニングの施術を受ける場合、法律上の観点から、ほぼ全てのケースで保護者の同意が求められます。
これはホワイトニングが医療行為にあたり、施術内容、効果、リスク、費用などについて、本人だけでなく親権者である保護者にも十分に理解し、承諾してもらう必要があるためです。
多くの歯医者では、カウンセリング時に保護者の同席を求めたり、所定の同意書に署名をしてもらったりする手続きをとっています。
同意を得ずに施術を進めることはできないため、ホワイトニングを希望する際は、事前に保護者とよく話し合い、通院予定の歯科医院に手続きについて確認しておくとスムーズです。
ホワイトニング後のセルフケアを徹底する
ホワイトニングの効果を長持ちさせ、美しい歯の状態を維持するためには、施術後のセルフケアが非常に重要になります。
特に施術直後の歯は、表面を覆う保護膜が一時的に失われ、色が付きやすい状態です。
そのため、カレー、コーヒー、赤ワイン、醤油といった色の濃い飲食物は、最低でも24〜48時間は控える必要があります。
日々の歯磨きでは、歯の表面を傷つけにくい研磨剤無配合か低研磨のホワイトニング用歯磨き粉を選びましょう。
ホームホワイトニングを行う場合も、使用時間や頻度など歯科医師の指示を厳守し、適切なケアを継続することが求められます。

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子どもの歯の黄ばみが気になる場合のホワイトニング以外の対処法
2歳前後の幼児期を含め、ホワイトニングが推奨されない年齢の子どもの歯の黄ばみが気になる場合、薬剤を使用しない別の方法で対処することが可能です。
歯の変色の原因は一つではなく、表面の汚れによるものや、虫歯などの病的な要因も考えられます。
歯科医院での専門的なクリーニングや、原因となっている疾患の治療を行うことで、歯本来の健康と色を取り戻せる場合があります。
これらの方法は子どもの歯への負担が少なく、安全に取り組めるのが特徴です。
歯科医院での専門的なクリーニングで着色汚れを落とす
子どもの歯の黄ばみの多くは、食べ物や飲み物によるステイン(着色汚れ)が原因です。
これらの汚れは毎日の歯磨きだけでは完全に落としきれず、徐々に蓄積していきます。
このような場合、歯科医院で受けられる専門的な歯のクリーニング(PMTC)が有効です。
これは、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具と研磨剤入りのペーストを使い、歯の表面を一本ずつ丁寧に磨き上げる処置です。
薬剤を使わずに歯の表面の汚れだけを物理的に除去するため、子どもでも安全に受けられます。
歯本来の白さを取り戻せるだけでなく、虫歯予防にもつながるため、定期的に受けることが推奨されます。
虫歯などが原因の変色は治療で改善する
歯の変色が、単なる着色汚れではなく、虫歯や歯の神経の異常によって引き起こされているケースもあります。
例えば、虫歯が進行すると歯が茶色や黒っぽく変色します。
また、転倒などで歯を強くぶつけた際に歯の神経が死んでしまうと、歯が内側から灰色っぽく変色することがあります。
これらの変色はホワイトニングでは改善できず、原因となっている虫歯や外傷歯に対する歯科治療が必要です。
原因に応じた適切な治療を受けることで、歯の健康を取り戻し、結果的に色の問題も改善される可能性があります。
変色の原因を正確に特定するためにも、まずは歯科医師の診察を受けることが先決です。
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ホワイトニングは何歳まで可能?年齢の上限について
ホワイトニングに「何歳からできるか」という下限の目安がある一方で、年齢の上限については特に明確な規定はありません。
基本的には、歯や歯茎が健康な状態であれば、年齢に関わらず施術を受けることが可能です。
ただし、加齢による歯質の変化や、これまでの歯科治療の経歴によっては、期待した効果が得にくい場合や、注意が必要なケースも存在します。
高齢になってからホワイトニングを検討する際は、これらの点を踏まえた上で、歯科医師と相談することが大切です。
健康な歯であれば高齢でもホワイトニングはできる
ホワイトニングに明確な年齢の上限はなく、80代、90代の方でも歯や歯茎に重篤な問題がなければ施術は可能です。
ただし、加齢とともに歯の表面のエナメル質は摩耗して薄くなり、その内側にある黄色味の強い象牙質の色が透けて見えるようになります。
この象牙質自体の色の変化はホワイトニングでは改善が難しいため、若い頃のような真っ白な歯を目指すのは難しい場合があります。
また、歯周病が進行している、知覚過敏の症状が強いといった場合は、施術ができないこともあります。
現在の口内環境がホワイトニングに適しているか、まずは歯科医師に診断してもらうことが重要です。
人工の歯(詰め物・被せ物)は白くならないので注意が必要
ホワイトニングの薬剤が作用するのは、天然の歯(エナメル質)のみです。
そのため、過去の治療で入れたレジン(プラスチック)の詰め物や、セラミックなどの被せ物といった人工の歯の色は、ホワイトニングを行っても変化しません。
口の中に多くの人工の歯がある状態でホワイトニングを行うと、天然の歯だけが白くなり、治療した歯との色の差が際立ってしまう可能性があります。
その結果、見た目のバランスが悪くなることも考えられます。
もし色の差が気になる場合は、ホワイトニングで白くなった歯の色に合わせて、詰め物や被せ物をやり直すといった追加の治療が必要になることを念頭に置いておくべきです。
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まとめ
歯のホワイトニングを安全に受けられる年齢は、歯の成長が完了する18歳以上が一般的な目安です。
未成熟な歯は薬剤の刺激に弱く、知覚過敏や色ムラといったリスクが高まるため、年齢に関する基準が設けられています。
未成年者が施術を検討する際は、必ず歯科医師による診断を受け、保護者の同意を得ることが前提となります。
ホワイトニングが適用できない年齢の子どもの歯の黄ばみについては、歯科医院でのクリーニングや虫歯治療などで対応できる場合があります。
年齢の上限は特にありませんが、加齢による歯質の変化や人工の歯は白くならない点など、個々の状況に応じた注意が必要です。