
ホームホワイトニングを始めるにあたり、自分専用のマウスピースの作り方や価格、どのくらいの期間使用するのかは重要なポイントです。歯科医院で作成するマウスピースは、市販のものとは異なり、歯列に精密にフィットするよう作製されます。この記事では、マウスピースの作成手順や費用相場、正しい使い方と期間、さらに始める前に知っておくべき注意点まで、ホームホワイトニング用のマウスピースに関する情報を網羅的に解説します。
ホームホワイトニングで使うマウスピースとは?自宅で歯を白くする仕組み
ホームホワイトニングは、歯科医院で処方された専用のホワイトニング剤(ジェル)を、個人の歯に合わせて作製したマウスピースに注入し、自宅で歯に装着することで歯を白くする方法です。マウスピースが歯にしっかりと密着することで、薬剤が唾液で流れるのを防ぎ、有効成分が歯の内部に浸透しやすくなります。この薬剤が歯の着色物質を分解することで、歯が内側から白くなる仕組みです。継続的に使用することで、徐々に歯本来の明るさを取り戻すことが期待できます。
歯科医院で自分専用マウスピースを作成する具体的な手順
自分専用のマウスピースを作成するには、まず歯科医院へ通院する必要があります。東京の渋谷や原宿、大阪の梅田、京都など、多くの歯医者ではカウンセリングから作成、受け取りまで対応しています。一般的な作成方法の流れは、口の中の状態を診察し、歯の型取りを行い、後日完成したマウスピースを受け取るという手順です。歯科医院によって細かな違いはありますが、自分に合ったホワイトニングを進めるための最初のステップとなります。
ステップ1:カウンセリングと口の中の診察
最初に、ホワイトニングに関するカウンセリングを受け、希望の白さや進め方について歯科医師と相談します。その後、ホワイトニングが可能かどうかを判断するために、口腔内の診察が行われます。虫歯や歯周病、重度の知覚過敏などがある場合は、ホワイトニング剤がしみたり症状を悪化させたりする可能性があるため、先に治療を優先することが一般的です。また、詰め物や被せ物、人工の歯はホワイトニングで白くならないため、その点も確認します。歯並びの状態も含め、口内全体をチェックし、問題がなければ次のステップに進みます。
ステップ2:ホワイトニング用の歯型を採る
口腔内の診察で問題がなければ、ホワイトニング用のマウスピースを作るための歯型を採ります。粘土のような印象材をトレーに盛り、それを歯に押し付けて型取りをします。薬剤が均一に行き渡るよう、精密な形のマウスピースが求められるため、奥歯まで含めた上下の歯、あるいはホワイトニングを希望する片方の顎の歯型を正確に採取することが重要です。この型を基に歯の模型が作製され、個々の歯列にぴったりと合うオーダーメイドのマウスピースが作られます。下の歯と上の歯、どちらも行う場合は両方の型取りが必要です。
ステップ3:マウスピースの完成と受け取り
歯型を採った後、マウスピースが完成するまでには通常1週間から10日程度の期間を要します。歯科技工士が模型を基に一つひとつ手作業で作成するため、即日や当日の受け取りは難しい場合がほとんどです。完成後、再び歯科医院へ行き、マウスピースを受け取ります。その際、マウスピースが歯にしっかり適合しているか、違和感がないかなどを確認します。同時に、ホワイトニング剤の使い方や1日の装着時間、保管方法、注意点などについて詳しい説明を受け、ホームホワイトニングを開始できるまで準備を整えます。

ホームホワイトニング用マウスピース作成にかかる値段の相場
ホームホワイトニングにかかる料金は、歯科医院によって異なりますが、一般的な相場が存在します。この費用には、マウスピース本体の作成費用だけでなく、初回に処方されるホワイトニング薬剤の料金が含まれることがほとんどです。マウスピース作成は、審美目的の治療とみなされるため、公的医療保険が適用されない自由診療となります。そのため、費用は全額自己負担となる点を理解しておく必要があります。
マウスピース本体と薬剤を含めた総額費用の目安
ホームホワイトニングの費用は、マウスピース作成とホワイトニング薬剤のキット一式で、2万円から5万円程度が一般的な相場です。この料金には、事前のカウンセリングや診察料、歯の型取り費用などが含まれている場合が多いですが、詳細は歯科医院によって異なります。マウスピースのみの作成であれば1万円から2万円程度が目安となります。追加で薬剤を購入する場合は、1週間分で5,000円から1万円程度が相場です。初回のキットで目標の白さに到達しない場合は、追加の薬剤費が必要になります。
マウスピース作成は保険適用外の自由診療
ホワイトニングは虫歯や歯周病の治療とは異なり、歯の機能を改善する目的ではなく、見た目を美しくするための審美目的の処置です。日本の公的医療保険制度は病気の治療に対して適用されるため、審美目的の施術には適用されません。したがって、ホームホワイトニングにおけるマウスピースの作成や薬剤の処方には保険の適用がなく、全額自己負担の自由診療となります。歯科医院ごとに料金設定が異なるため、事前にウェブサイトで確認したり、カウンセリング時に総額費用を問い合わせたりすると良いです。
マウスピースを使ったホワイトニングの正しい装着方法
ホームホワイトニングの効果を最大限に引き出すためには、マウスピースの正しい装着方法を理解することが不可欠です。まずホワイトニングを行う前に歯磨きを済ませ、歯の表面の汚れを落としておきます。次に、オパールエッセンスなどのホワイトニングジェルを、マウスピースの歯の唇側に米粒大ほど注入し、歯に装着します。装着後は、はみ出したジェルをティッシュなどで拭き取ってください。使用後はマウスピースを外し、口をよくすすぎます。
1回の装着時間と効果を実感できるまでの期間
ホームホワイトニングにおける1回の装着時間は、使用する薬剤の濃度によって異なりますが、一般的には1日1回、最長で2時間程度です。歯科医師の指示に従い、指定された時間を守ることが重要で、自己判断で長く装着しても効果が高まるわけではありません。就寝中の装着が可能な薬剤もあります。効果を実感できるまでの期間には個人差がありますが、毎日継続して使用した場合、通常は約2週間ほどで歯の白さの変化を感じ始めることが多いです。より高い効果を求める場合は、1ヶ月以上の継続が必要になることもあります。
白さを維持するための適切な使用頻度
目標の白さに到達した後、その状態を維持するためには定期的なメンテナンスが推奨されます。ホワイトニング効果は永久的ではなく、食生活などによって徐々に後戻り(再着色)が起こるためです。白さを維持するための使用頻度は、歯の色が気になり始めたタイミングや、数ヶ月に1回、数日間集中的に行うなど、個人の状態に合わせて調整します。例えば、半年に1回、1週間程度ホワイトニングを行うといったサイクルが一般的です。定期的に歯科医院で検診を受け、後戻りの状態をチェックしながら適切な頻度について相談するのが望ましいです。
自宅で手軽にできるホームホワイトニングの3つの利点
ホームホワイトニングは、歯科医院へ何度も通う必要がなく、自宅で自分のペースで進められる手軽さが魅力です。通院はマウスピースの作成時と経過観察の数回のみで済むため、忙しい人にもおすすめの方法といえます。また、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと比較して費用を抑えやすく、ゆっくりと作用する薬剤を使用するため、白さが長持ちしやすいという利点も挙げられます。これらのメリットから、多くの人に選ばれています。
自分の好きなタイミングでホワイトニングできる
ホームホワイトニングの大きな利点は、自分のライフスタイルに合わせて好きな時間に施術できる点です。日中の仕事や家事で忙しい場合でも、帰宅後や就寝前など、リラックスできる時間を使ってホワイトニングを行えます。歯科医院に通うオフィスホワイトニングのように、診療時間に合わせて予約を取る必要がないため、スケジュール調整の負担がありません。自分の都合の良いタイミングで手軽に始められ、継続しやすいことがメリットです。テレビを見ながら、あるいは読書をしながらといった「ながら時間」を有効活用することも可能です。
オフィスホワイトニングより費用を抑えやすい
一般的に、ホームホワイトニングは歯科医院で施術を受けるオフィスホワイトニングよりも費用を抑えやすい傾向にあります。オフィスホワイトニングは、高濃度の薬剤や特殊な光を照射する機器を使用するため、1回あたりの施術費用が高額になりがちです。一方、ホームホワイトニングは最初にマウスピースの作成費用がかかりますが、その後は薬剤を追加購入するだけで継続できます。長期的な視点で見ると、トータルの費用を低く抑えられる可能性が高いです。初めてホワイトニングを試す方や、コストを重視する方にとって大きなメリットとなります。
白さが長持ちしやすく自然な仕上がりを目指せる
ホームホワイトニングは、低濃度の薬剤を使用して時間をかけて歯の内部からじっくりと白くしていくため、効果が長持ちしやすいという特徴があります。高濃度の薬剤で一気に白くするオフィスホワイトニングと比較して、色の後戻りが緩やかです。また、徐々に歯が白くなっていくため、他人から見て不自然な印象を与えにくく、透明感のある自然な仕上がりを目指せます。白さの度合いを自分で調整しながら進められるので、希望の白さに到達した時点で中断することも可能です。

始める前に知っておきたいホームホワイトニングの注意点
ホームホワイトニングは自宅で手軽に行える利点がありますが、始める前にいくつかの注意点を理解しておくことが大切です。薬剤を自分で管理する必要があるため、正しい使用方法を守らないと十分な効果が得られなかったり、知覚過敏などのトラブルを引き起こしたりする可能性があります。また、ホワイトニング期間中は、着色しやすい飲食を避けるといった自己管理も求められます。これらの注意点を事前に把握し、安全かつ効果的に進めることが重要です。
効果を実感するまでに時間がかかる
ホームホワイトニングは、低濃度の薬剤を使い、時間をかけて徐々に歯を白くしていく方法です。そのため、歯科医院で行うオフィスホワイトニングのように1回の施術で劇的な変化を得ることは難しく、効果を実感するまでにある程度の期間が必要となります。一般的には、毎日継続して使用しても、白さの変化を感じ始めるまでに約2週間かかります。即効性を求める場合には不向きかもしれませんが、自分のペースでコツコツと続けられる人にとっては、色の後戻りがしにくいというメリットにつながります。
自分で薬剤の量を管理する必要がある
ホームホワイトニングでは、マウスピースに注入する薬剤の量を自分で管理しなくてはなりません。薬剤の量が少なすぎると十分なホワイトニング効果が得られず、逆に多すぎるとマウスピースから薬剤が溢れ出て歯茎に付着し、炎症や知覚過敏を引き起こす原因となることがあります。1つの歯に対して米粒程度の量が適量とされていますが、最初のうちは量の調整が難しいと感じるかもしれません。歯科医院で受けた指導を正確に守り、適切な量を使用することが、安全かつ効果的なホワイトニングには不可欠です。
ホームホワイトニング用マウスピースに関するよくある質問
ホームホワイトニングを始めるにあたって、マウスピースの取り扱いや市販品との違い、使用期間など、さまざまな疑問が浮かぶかもしれません。ここでは、特に初心者が抱きやすいマウスピースに関するよくある質問とその回答をまとめました。正しい知識を持つことで、より安心してホワイトニングに取り組むことができます。疑問点を解消し、スムーズにホームホワイトニングを始めましょう。
マウスピースのお手入れはどうすればいい?
マウスピースを清潔に保つため、使用後のお手入れは欠かせません。まず、歯から外したマウスピースを流水で丁寧に洗い流します。汚れが気になる場合は、柔らかい歯ブラシを使って優しくこすり洗いをしてください。このとき、歯磨き粉は研磨剤が含まれているため、マウスピースを傷つける可能性があるので使用を避けます。洗浄後に熱いお湯をかけると変形の原因になるため、必ず水かぬるま湯を使用します。洗浄後は水分をよく拭き取り、通気性の良い専用の保管ケースに入れてください。カビの発生を防ぐため、湿ったまま保管しないことが重要です。
市販のマウスピースで代用することは可能?
市販されている、お湯で温めて自分で歯型を作るタイプのマウスピースでホームホワイトニングを代用することは推奨されません。歯科医院で作製するマウスピースは、個々の歯列に精密にフィットするよう作られており、薬剤が歯面に均一に行き渡り、唾液で流出するのを防ぎます。一方、市販のものはフィット感が悪く、薬剤が漏れ出して歯茎に付着したり、唾液と混ざって効果が薄まったりする可能性があります。また、適合が悪いと薬剤を飲み込んでしまうリスクも高まります。安全かつ効果的にホワイトニングを行うためには、歯科医院で処方された薬剤と専用のマウスピースを使用することが不可欠です。
マウスピースはいつまで使える?作り直しのタイミング
歯科医院で作製したマウスピースの素材は丈夫なため、使用期限は設けられていません。丁寧に取り扱えば数年間は使用することが可能です。しかし、長期間の使用による変形や破損、穴あきなどが生じた場合は、作り直しが必要です。また、矯正治療や大きな虫歯治療によって歯の形や歯並びが変わった際も、マウスピースが合わなくなるため再作製が求められます。装着時に違和感があったり、フィットしなくなったりした場合も作り直しのタイミングです。紛失してしまった場合も、再度歯型を採って作り直すことになります。
まとめ
ホームホワイトニング用のマウスピースは、歯科医院で精密な歯型を採って作製され、薬剤の効果を最大限に引き出すために重要な役割を果たします。作成にはカウンセリングから型取り、完成まで数週間を要し、費用は自由診療で2万円から5万円が相場です。正しい使い方と装着時間を守り、毎日継続することで約2週間後から効果が表れ始めます。使用後は適切な手入れと保管を行い、変形や破損、歯並びの変化があった場合は作り直しを検討します。これらの点を理解し、歯科医師の指導のもとで安全に進めることが求められます。