
■ 妊娠中にホワイトニングを検討する前に知っておきたいこと
妊娠中は体にさまざまな変化が起こるため、普段は問題ないことでも慎重な判断が求められます。
特に、歯のホワイトニングは薬剤を使用することから、お腹の赤ちゃんへの影響が気になる方も多いでしょう。
結論から言うと、ほとんどの歯医者では妊娠中のホワイトニングを推奨していません。
この記事では、なぜ妊娠中のホワイトニングを避けるべきなのか、その理由と、妊娠中でも安全に歯を白く保つための対処法について詳しく解説します。
■ 妊娠中のホワイトニングを避けるべき理由とは
多くの歯科医院で妊娠中のホワイトニングを行わないのには、明確な理由があります。
主に「ホワイトニング剤の影響が不明であること」「ホルモンバランスの変化による口内トラブル」「長時間の施術による母体への負担」の3点が挙げられます。
これらのリスクは、安全な出産と母子の健康を最優先に考える上で、無視できない重要な要素です。
■ ホワイトニング剤が胎児に与える影響が明確でない
ホワイトニングで使用される薬剤には「過酸化水素」や「過酸化尿素」といった成分が含まれています。
これらの成分が歯を白くする効果を発揮しますが、妊娠中に使用した場合の胎児への影響については安全性を証明する十分な臨床データが存在しないのが現状です。
動物実験の段階では問題が報告されていないケースもありますが、人間を対象とした研究は倫理的な観点から行われていません。
安全性が確立されていない以上、わずかでもリスクがある可能性を考慮し、万全を期すために歯科医院では施術を行わないのが一般的です。
母子の健康を第一に考え、不確定な要素を避けるための予防的な措置と言えます。
■ 妊娠中のホルモン変化による口内環境の悪化
妊娠中は、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が活発になります。
このホルモンバランスの急激な変化は、口腔内の環境にも大きな影響を及ぼし、特定の歯周病菌の増殖を促すことが知られています。
その結果、「妊娠性歯肉炎」と呼ばれる歯ぐきの腫れや出血が起こりやすくなります。
また、口内炎ができやすくなるなど、お口全体が非常にデリケートな状態になります。
このような敏感な状態でホワイトニング剤を使用すると、薬剤の刺激によって歯ぐきの炎症が悪化したり、知覚過敏が強く出たりする可能性があるため、妊娠中の施術は避けるべきだとされています。

■ 長時間の施術が妊婦さんの体に与える負担
歯科医院で行うオフィスホワイトニングは、薬剤を歯に塗布し、特殊な光を照射して効果を高めるため、施術には1時間程度の時間が必要です。
この間、患者さんは診療台の上で同じ姿勢を保ち続けなければなりません。
つわりで体調が優れない時期はもちろん、お腹が大きくなる妊娠中期から後期にかけては、仰向けの姿勢を長時間維持することが妊婦さんの身体に大きな負担となります。
血圧の低下を引き起こす「仰臥位低血圧症候群」のリスクも高まるため、母体の安全を考慮すると、長時間の施術は推奨されません。
■ 妊娠に気づかずホワイトニングをしてしまった場合
妊娠していることに気づかず、ホワイトニングの施術を受けてしまったと後から分かり、不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、過度に心配する必要はありません。
ホワイトニング剤の使用が、胎児の奇形など直接的な悪影響を及ぼしたという医学的な報告は現時点ではありません。
使用される薬剤の量も微量であり、そのほとんどが歯の表面で作用するため、体内に吸収されて胎児に届く可能性は極めて低いと考えられています。
それでも心配な場合は、一人で悩まずにかかりつけの産婦人科医や、施術を受けた歯科医師に事実を伝えて相談しましょう。
■ ホワイトニングはいつから再開できるのか
ホワイトニングの再開時期として最も推奨されるのは、授乳期間が完全に終了してからです。
産後はホルモンバランスが徐々に妊娠前の状態に戻り、体調も安定してくるため、安心して施術を受けやすくなります。
授乳期間中のホワイトニングについては、薬剤が母乳へ移行する可能性がゼロではないとされ、乳児への安全性も確立されていません。
そのため、多くの歯科医院では授乳中の施術も控えるよう案内しています。
■ 妊娠中でも歯を白く見せる安全な方法
薬剤で歯を漂白する本格的なホワイトニングは妊娠中にはできませんが、歯を白く見せるための安全な方法はいくつか存在します。
歯の表面に付着した着色汚れを落とすだけでも、歯本来の明るさを取り戻すことが可能です。

■ 歯科医院で受けられる安全なクリーニング
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、歯科医師や歯科衛生士が専門の機器とペーストを使って行う歯のクリーニングです。
歯ブラシでは落としきれない着色汚れを徹底的に除去します。
この施術は薬剤を使用しないため、妊娠中でも安全に受けることができます。
虫歯や歯周病の予防にもつながり、口内環境を健康に保てます。
■ 自宅でできるホワイトニングケアの工夫
市販のホワイトニング歯磨き粉は、歯の表面の汚れを落とすことで歯を明るく見せるものです。
歯そのものの色を変えるものではありませんが、日常ケアとして有効です。
■ イベント前に歯を白く見せたい場合の対処法
歯のマニキュアは、一時的に歯を白く見せる方法として利用できます。
持続性はありませんが、写真撮影などの直前対策として活用できます。
■ 妊娠中の食生活と歯の白さの関係
色の濃い飲食物を控え、摂取後は早めに口をすすぐことで着色予防につながります。
食物繊維の多い食品をよく噛むことも、歯の自浄作用を助けます。
■ 妊娠中のホワイトニングに関するよくある疑問
安定期であってもホワイトニングは推奨されません。
市販グッズについても自己判断は避け、必ず歯科医師に相談しましょう。
■ まとめ
妊娠中のホワイトニングは、胎児への安全性が確立されていないことや、母体への負担を考慮し、原則として避けるべきです。
その代わり、妊娠中でも安全に歯をきれいに保つ方法はあります。
不安な場合は必ず専門家に相談し、安心できる選択を心がけましょう。