
歯を白くしたいと考えたとき、「ホワイトニング」と「クリーニング」という言葉を耳にしますが、この二つの違いを正確に理解しているでしょうか。
どちらも歯を綺麗にするための歯科での施術ですが、その目的や方法は全く異なります。
ホワイトニングとクリーニング、それぞれの特徴を知ることで、ご自身の希望や歯の状態に合った最適な選択ができます。
この記事では、目的、効果、費用、期間などの観点から両者の違いを詳しく比較解説します。
ホワイトニングとクリーニングの目的は全く違う!美白と予防・治療
ホワイトニングとクリーニングは、歯に対するアプローチの目的が根本的に異なります。
ホワイトニングの主な目的は、歯そのものの色を内側から漂白し、本来の色以上に白く見せる「審美」です。
一方、クリーニングは歯の表面に付着した歯石や着色汚れを除去し、虫歯や歯周病を防ぐ「予防・治療」を目的としています。
見た目を重視した美白へのスタートがホワイトニング、口腔内の健康維持がクリーニングと覚えておくと良いでしょう。
ホワイトニングの効果:歯そのものの色を漂白して白くする
ホワイトニングは、専用の薬剤を用いて歯の内部にある色素を分解し、歯自体の色調を明るくする施術です。
加齢や遺伝など、歯の内部からくる黄ばみに対して効果を発揮し、クリーニングでは得られない本来の色以上の白さを目指せます。
歯医者で受けるオフィスホワイトニングや、自宅で行うホームホワイトニングなど、いくつかの方法から選択が可能です。
施術によって、自信の持てる明るい口元を実現できます。
歯科医院で行うホワイトニングの主な種類
歯科医院で提供されるホワイトニングには、主に3つの種類があります。
一つ目は歯科医院内ですべての施術が完了する「オフィスホワイトニング」、二つ目は自宅でマウスピースを使用して行う「ホームホワイトニング」、そして三つ目は両者を組み合わせた「デュアルホワイトニング」です。
クリーニングとは異なり、これらの方法は歯を内部から白くすることを目的としています。
それぞれに効果の現れ方や持続期間、費用が異なるため、自分のライフスタイルや希望する白さに合わせて選択することが重要です。
歯科医院で完結するオフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医師や歯科衛生士が高濃度のホワイトニング剤を歯に塗布し、特殊な光を照射して歯を白くする方法です。
すべての工程が歯科医院内で完結するため、1回の施術でも効果を実感しやすいのが大きな特徴です。
結婚式などのイベントを控えている方や、短期間で歯を白くしたい方に適しています。
ただし、効果の持続期間は比較的短く、色の後戻りがしやすい傾向があります。
クリーニングと同時に施術することは難しく、適切な順番で行う必要があります。
自宅でじっくり行うホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、歯科医院で自分の歯型に合わせた専用のマウストレーを作成し、処方された低濃度のホワイトニング剤を自分で注入して装着する方法です。
毎日数時間、2週間程度継続することで、徐々に歯を白くしていきます。
オフィスホワイトニングに比べて効果を実感するまでに時間はかかりますが、薬剤が歯の内部までじっくり浸透するため、白さが長持ちしやすいというメリットがあります。
自分のペースで進めたい方や、白さを長く維持したい方におすすめです。
両方の長所を活かすデュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用する施術方法です。
まず歯科医院でオフィスホワイトニングを受けて歯を短期間で白くし、その後自宅でのホームホワイトニングを継続することで、その白さをより長期間維持します。
それぞれの長所を組み合わせることで、短期間で高いホワイトニング効果を得られるだけでなく、色の後戻りを防ぎやすいのが最大のメリットです。
効果が高い分、費用は他の方法よりも高額になる傾向があります。

クリーニングの効果:歯の表面の汚れを落とし本来の輝きを取り戻す
クリーニングは、歯の表面に付着した歯垢、歯石、ステインを専門的な器具で除去する施術です。
これにより、歯が持つ本来の色や透明感、ツヤを取り戻すことができます。
ホワイトニングのように歯そのものを漂白するわけではありませんが、コーヒーやタバコなどによる着色汚れが気になる場合には、クリーニングだけでも見た目の印象が大きく改善されます。
また、虫歯や歯周病の原因となる細菌の塊を取り除くため、口腔内の健康維持に不可欠です。
歯のクリーニングで行われる具体的な施術内容
歯のクリーニングは、単に歯を磨くだけでなく、複数の専門的な処置から構成されています。
代表的なものに、歯周病の原因となる硬い歯石を取り除く「スケーリング」や、専用の機器と研磨剤を用いて歯の表面の着色汚れや細菌の膜(バイオフィルム)を徹底的に清掃する「PMTC」があります。
これらの施術は、セルフケアでは除去しきれない汚れを落とし、虫歯や歯周病を予防するために行われます。
口腔内の状態に応じて、これらの施術を組み合わせて実施するのが一般的です。
歯周病の原因となる歯石の除去(スケーリング)
スケーリングとは、スケーラーと呼ばれる専用の器具を使い、歯の表面や歯と歯ぐきの境目に付着した歯石を除去する処置です。
歯石は、歯垢が唾液中のミネラルと結びついて石灰化したもので、歯ブラシでは取り除くことができません。
この歯石の表面はザラザラしているため、さらに歯垢が付着しやすくなり、歯周病菌の温床となります。
スケーリングによって歯石を定期的に除去することは、歯周病の進行を抑制し、歯ぐきの健康を保つ上で非常に重要です。
専用機器で着色汚れを落とすPMTC
PMTCは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、歯科医師や歯科衛生士といった専門家が専用の機器を使用して行う歯の清掃です。
フッ素などが配合された研磨ペーストを使い、回転するブラシやカップで歯の表面を磨き上げます。
これにより、普段の歯磨きでは落としきれないバイオフィルムや、コーヒー、お茶、タバコなどによる着色汚れを効果的に除去できます。
施術後は歯の表面がツルツルになり、汚れの再付着を防ぐ効果も期待できるため、虫歯や歯周病の予防につながります。
【比較表】ホワイトニングとクリーニングの違いが一目でわかる
ホワイトニングとクリーニングは、どちらも歯を美しく見せるための施術ですが、その中身は大きく異なります。
両者の違いをより明確に理解するために、「目的」「費用」「施術期間・回数」という3つの主要な観点から比較してみましょう。
これらのポイントを押さえることで、どちらが現在の自分の悩みや希望に合っているのかを判断する手助けになります。
それぞれの特徴を整理し、自分にとって最適な選択肢を見つけるための参考にしてください。
目的の違い:歯を「白くする」か「綺麗にする」か
両者の最も根本的な違いは、その目的にあります。
ホワイトニングの目的は、薬剤の化学反応を利用して歯の内部の色素を分解し、歯が本来持つ色以上に「白くする」ことです。
これは審美性を追求する処置と言えます。
一方、クリーニングの目的は、歯の表面に付着した歯石やステインなどの汚れを取り除き、歯を本来の健康な状態に「綺麗にする」ことです。
こちらは虫歯や歯周病の予防・治療という医療的な側面が強い処置であり、この目的の違いが施術内容や費用に反映されます。
費用の違い:保険適用の有無と料金相場
費用面での大きな違いは、保険が適用されるかどうかという点です。
ホワイトニングは見た目を美しくするための審美目的の施術であるため、健康保険が適用されず、全額自己負担の自由診療となります。
料金相場は、オフィスホワイトニングで1回数万円、ホームホワイトニングで数万円程度です。
一方、クリーニングは歯周病治療の一環として行われる場合、保険が適用されます。
その際の費用は数千円程度です。
ただし、着色除去を主目的とするPMTCなどは自由診療扱いとなる場合もあります。
施術期間・回数の違い:1日で終わるか複数回必要か
施術に必要な期間や回数も異なります。
オフィスホワイトニングは、1回の施術(約1時間程度)で効果を実感できることが多いですが、目標の白さによっては複数回の通院が必要になることもあります。
ホームホワイトニングは、効果が出るまでに毎日2時間程度の装着を2週間ほど続ける必要があります。
対して、保険適用のクリーニングは、口腔内の状態に応じて複数回に分けて行われるのが一般的です。
PMTCなどの自由診療のクリーニングは、1回で完了することがほとんどです。

あなたはどっち?目的別に見るおすすめの施術
ホワイトニングとクリーニングの違いを理解した上で、次は自分自身の目的に合わせてどちらの施術を選ぶべきかを考えてみましょう。
歯の色そのものを明るくしたいのか、それとも表面の汚れや口腔内の健康が気になるのかによって、適した選択は変わってきます。
ここでは、具体的な悩みや希望に応じたおすすめの施術を紹介します。
自分の理想とする口元の状態をイメージしながら、最適なプランを見つけるための指針としてください。
歯本来の色以上に白くしたいなら「ホワイトニング」
もともとの歯の色が黄色っぽい、または加齢によって黄ばみが強くなったと感じるなど、歯自体の色を明るくしたい場合にはホワイトニングが適しています。
クリーニングでは表面の汚れしか落とせないため、歯の内部から色調を改善したいという希望はホワイトニングでしか叶えられません。
芸能人のような透明感のある白い歯に憧れる方や、結婚式などの大切なイベントを控えており、口元の印象を大きく変えたい方には、ホワイトニングがおすすめです。
歯の黄ばみや茶渋が気になるならまず「クリーニング」
歯の黄ばみの原因が、コーヒー、紅茶、ワイン、カレーといった色の濃い飲食物の摂取や、喫煙によるヤニである場合は、まずクリーニングを受けることをお勧めします。
これらの着色汚れ(ステイン)は歯の表面に付着しているため、クリーニングで専門的に除去するだけで、歯が本来の明るさを取り戻し、見た目が大きく改善されることがよくあります。
ホワイトニングを検討する前に、一度クリーニングで表面の汚れをリセットすることで、本当にホワイトニングが必要かどうかを判断できます。
虫歯や歯周病を予防したいなら「クリーニング」
見た目の美しさよりも、口腔内の健康維持や向上を最優先に考えるのであれば、定期的なクリーニングが不可欠です。
クリーニングでは、虫歯や歯周病の直接的な原因となる歯垢や歯石を徹底的に除去します。
これらはセルフケアだけでは完全に取り除くことが難しく、放置すると深刻な口内トラブルにつながる可能性があります。
健康な歯と歯ぐきを長く保つためには、3ヶ月から半年に一度のペースで専門的なクリーニングを受け、お口の中を清潔な状態に保つことが基本となります。
ホワイトニングとクリーニングを両方受ける場合の最適な順番
より理想的な白い歯と健康な口腔環境の両方を手に入れたい場合、ホワイトニングとクリーニングを両方受けるという選択肢があります。
この二つの施術を組み合わせることで、それぞれの効果を最大限に引き出すことが可能です。
ただし、その効果を最大限にするためには、施術を受ける順番が非常に重要になります。
どちらを先に受けるべきか、その理由を理解し、効率的に理想の口元を目指しましょう。
先にクリーニングで汚れを落とすことでホワイトニング効果が高まる
ホワイトニングとクリーニングを両方行う場合、必ず「クリーニングが先」です。
歯の表面に歯石やステインなどの汚れが付着したままだと、ホワイトニング剤が歯に均一に浸透せず、効果が半減したり、色ムラの原因になったりします。
まずクリーニングで歯の表面をきれいに清掃することで、薬剤が歯の内部にスムーズに作用し、ホワイトニングの効果を最大限に引き出す準備が整います。
健康な歯ぐきの状態でホワイトニングを行うことは、安全性の上でも重要です。
まとめ
ホワイトニングとクリーニングは、歯を綺麗にするという共通点はありますが、その目的とアプローチは全く異なります。
ホワイトニングは、歯そのものの色を内側から漂白して「本来以上に白くする」審美的な施術です。
一方、クリーニングは歯の表面の汚れを除去し、「本来の健康な状態に戻す」予防・治療的な施術です。
自分の希望が「白さの追求」なのか「健康と本来の色の回復」なのかを考え、適切な方を選択する必要があります。
両方を行う際は、クリーニングで口内環境を整えてからホワイトニングに進むのが最も効果的です。
最終的には歯科医師と相談し、自身の歯の状態に合った計画を立てることが推奨されます。